保坂和志『プレーンソング』

プレーンソング (中公文庫)

プレーンソング (中公文庫)


「近所のちいさな猫のためにえさを置き、週末には競馬に行き、恋をするでもない「僕」と、僕の部屋に居候しつづける4人の男女のしずかな日常。」


保坂和志というと、いわゆる小説では『カンバセイション・ピース』しか読んだことはない。これは私が、こういう最近の純文学を読まない傾向にあるからだ。この本も『カンバセイション・ピース』も面白い。どちらかというと『プレーンソング』のほうが、昔の映画界が少し垣間見れて楽しかったように思う。


学生時代は、大人になって何も縛られるものがなかったらだ、好きなようにだらーっとしたい。ああ、最近みた『キャッチボール屋』みたいな生活もしたい。私もソフト部だったしなあ、と思ってそれほどだらっとできず、なぜか今よりも働いていたように思う。でも今も思う、学生のときとか20代のうちにこういう生活したかったなあと。今思うと20歳のとき、パリでぼーっとしていた1ヶ月間だけ、それが実現できた。あのときが人生で一番楽しかったなあ。と、突然のノスタルジー