定本 言語にとって美とはなにか〈1〉

記紀万葉から、鴎外、漱石石川淳島尾敏雄等の小説作品の他、詩歌、戯曲、俗謡など膨大な作品を引用しながら詳細に解説。文学を形づくっている「言語」の特質を追求する。文学・言語・藝術を考える上で必須の1冊」

吉本隆明の本は半年に一冊くらいは読んでおきたい。これは文学を文学として捉える前に「言語」という単位からとらえるという実験的であり、本質的なところから理論づけている書ともいえるかもしれない。つまり、難しいのだが、よく読んでみると、「言語」という常に親しんでいるものについて書かれているわけなので、引き込まれるのだ。政治も文学も思想も哲学もすべて「言語」がつくった芸術であるなと痛感。
この題名自体が「言語の美」を感じさせる。

定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫)

定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫)