遊園地再生事業団#16『ニュータウン入口』

tomopoly2007-10-22


9/29 @三軒茶屋 シアタートラム
ずいぶん前になってしまった。今思うと見に行ってよかったなあと思う。


人生で一番大事なのことはなんだろうか。お金、愛情、といろいろ考えるけど、なんといっても環境が大事。お金があっても使えないといけないし、センスがなければ単なる成金趣味になってしまう。自然のなかで慎ましやかに豊かにすごせる精神、私はいつもそれを求めています。
 なので、美しい生活が約束されている『ニュータウン入り口』は名前だけでもいやだし、開拓された住宅地(ということはなんらかのことがあって今まで人が住んでいなかった。。)はいやだなあと思ってしまうので、一番の核がわからない。でも開拓された場所には幸福な記憶が少ない。なので『ニュー』がつくところにすんではいけない。古いままでも充分なところが幸福なのだ。と思う。でも、この舞台はそういういろんなことを考えさせる。『ニュータウン』『美しい生活』を通して、いままでの自分と、これからの希望的観測の中での自分。『ニュータウン』という言葉にビビっとくる世代は、私たちくらいまでかもしれない。今は『タワーマンション』かしらん。でもそれもニュータウンなんだ。川崎のタワーマンションがある場所なんて、昔は酷かった。でもそんな閉じられた空間で、豊かに生きれればいい。でも遠くから見ると雲がかかって見えるけど。


舞台の感想とならないけれど、あえていうならば直視しても何もわからない舞台。アンティゴネーとか知ってるほうがそりゃいいだろうけど、知らなくてもいい。アンティゴネーっていう音で楽しめたはず。

そこではとても美しい生活が約束されている。いま若い夫婦が不動産業者に案内されてこのニュータウンに来た。
 たしかにそこはとてもいい街だ。安全な生活に住民は満足しているし、幸福感に充たされ、清潔に計画された土地で人々は快適な暮らしを送っている。そして、住民たちだけではなく、この国の誰もが記憶している「ニュータウンのある事件」がテレビで報道されても、住民たちにとっては見知らぬ土地の特別な出来事に過ぎなかった。自分の幸福とは関係がない。テレビのワイドショーで語られる程度の遠い物語だ。

出演 若松武史
齋藤庸介 佐藤拓道 鎮西猛 鄭亜美 時田光
南波典子 二反田幸平 橋本和加子 三科喜代
山縣太一
杉浦千鶴子 上村聡・田中夢(遊園地再生事業団)

遊園地再生事業団#16『ニュータウン入口』