光の雨

巷では、若松孝二実録・連合赤軍』が話題になっているのに、それには乗り遅れていまさら『光の雨』を見た。

光の雨 特別版 [DVD]

光の雨 特別版 [DVD]

私は「赤軍」ものに目がないといいつつも何たること!しかも好きな萩原聖人裕木奈江が出ているのに・・・。なんてことは置いといてこの映画。公開時から「何で、劇中劇なんだよ」と思っていたんだけど、これを見ると納得する。映画という表現媒体のすごさが現れてるように思う。連合赤軍のこのリンチ事件をよく知っている人にとっては、ストーリーもあの程度でわかるのだけど、そうでない人にはちょっと説明不足かなとは思いますが、これを機会にいろいろと調べたり文献をあさってもらえればいいかなと思ったりもします。原作よりも、連赤関係者のを書いた書籍を!


この映画ですごかったのは、打ち上げのシーンでの総括。なんだか人間って従っちゃうんだなあと思うのです。異常な話だとはいうけれど、きわめて真面目な人たちが起こした事件で、なおかつ彼らは大きな意味での『世界平和』を願った人たちなわけで、でもそういう人たちがどうしてああいう事件を起こすのかは「謎」ではなく、大量虐殺は「世界平和に結びつくと思うのです。昭和20年の日本兵の気持ちを考えたりもしてしまいます。この映画は2つの時代を描くことで、そういう時代を超えた視点を与え、原作よりよかったかも、と思いました。


裕木奈江はやっぱりいいんですけど、森恒夫の役を萩原聖人が演じてくれたらなああと思います。森恒夫って、みためはたしかに坊主でいかついけど、イメージでは日和見のダメ人間って感じもするから、そこらへんがもっと出てほしかったなあ。あと、池内万作がとてもいい。彼の両親は大好きですけど、池内万作のヘタウマ感は好きです。坂口弘のイメージってあんな感じだなと思っていたので。。