ラダック 懐かしい未来

70年代に言語人類学者としてラダックに入ったヘレナ・ノバーグ・ホッジさんの著書。彼女は以来、一貫してこの地の伝統的な文化や自然、経済活動を守り、維持する活動を30年間にわたって続けてきて、世界各国にこの本は翻訳され、日本でも講演活動を行ったことがあるらしい。

とても面白い本で、あっという間に読めてしまうのでぜひみなさんに読んでほしいです!

ラダック 懐かしい未来

ラダック 懐かしい未来

「リトル・チベット」と呼ばれるヒマラヤの秘境に押し寄せるグローバライゼーションの波。伝統的社会システムを再認識した上で新たな価値観や社会システムを創造していく道筋をラダックに学ぶ。


仕事で疲れてマッサージいったり、リラクゼーションにお金をかけるのはおかしい、と家人に言われる、そうしないとストレスが溜まるのであれば、仕事を減らして、使うお金も減らせばいいし、そちらのほうが幸せだといわれる。
たしかに私はお金がなくとも幸せな暮らしをもとめている。ケチといわれるが一線を画して、お金と関係ないところで得られる幸福感や楽しみを感じれるようになりたい。でもそう思っているのは「お金」が染み付いているからだなと思う。


自然の生活にあこがれるのは簡単だけれども、それだけではダメだと思う。この本も単なるネイチャーなライフスタイルを礼賛するというものでなく、必要な開発もいれていく、取り組みにもスポットを当てているのが興味深い。


私は経済力がGNPで測られるのはおかしいなと、ずっと思っていて、そういう意見を発したことがあるのだけど、ここではGNPのような指標にマイナスの観念(環境悪化、治安悪化、精神状態悪化、身体悪化)なども入れていくべきだと具体的なことが書いてあって、なるほどと思った。とくに精神科の医療費はマイナスして考えるべきだと思う。リタリンの場合は5倍でマイナス!