紀子の食卓

園子温、あいかわらずその名前がかっこいい。たしか本名なんだよね。いいなあ、かっこいい。この映画を見てひさびさに「園子温」のことを考えてみた。なんだかこの映画は昔のテイストと今のテイストがうまくまざっている。

私は(みんなそうだろうと思うけど)『自転車吐息』が大好きで、あれをスクリーンでみたときのことはなんでか忘れられない。そのとき園子温ご本人もどこかに座っていて、終わったら立ち上がって挨拶をしていたことを思い出した。ちょうどあのころが、この主人公の紀子のような時期だったなあ。

その後『部屋 THE ROOM』とか撮ったり、『東京ガガガ』(あれはガガガSPと関係あるの)のプロジェクトに熱中していたりして、なんだかエキセントリックな方向に行ったなあと思っていたら、『桂子ですけど』という美しい作品を撮ったりとしていて、なんだか追いつけなくなってきた。

最近では『自殺サークル』とか『エクステ』とかメジャー作品もとっているし、「時効警察」とかも参加してるしなあと思っていたけど、なんだか恐ろしそうな映画ばかりでひるんでしまっていた。最近はどうなのか??

で、やっと見た「紀子の食卓」(前ふり長い、、、)。うーー、さすがだ。少なくとも前半の1時間は傑作だと思う。さすがに2時間30分もあるので、少しだれるし、つぐみはいつもあんな役でなんだか面白い味がないんだけど、いい。青春の疾走感を感じる。紀子が学校新聞をもってかけよるシーンとか、みかんちゃんに会うシーン(私もああいうことあったから特に)とかすごくいい。

一家団欒という日常風景にひそむ、嘘―――。
既に崩壊した現代の家族の姿を、『自殺サークル』の
が炙り出した、衝撃の“ホームドラマ”です。


わたしの家族は全くそうでなく、崩壊しているのに、仲が悪くない、というものなのでストーリーではぐっとくる点がないんだけれども、よだれがすごくでるタイプなので、惨殺現場でよだれがたれる、というシーンにはぐっときた。

役者さんでは、安藤玉恵さん(相変わらすすごい!)と古屋兎丸がよかったな。