潜水服は蝶の夢を見る

脳幹出血で倒れて、左目だけが見えて他はほとんど動かなくなってしまって、まばたきでコミュニケートする男の映画。感動作らしいですが、、、こういう映画ってほんとに困るんだよなあ。

というのも私の父も同じ病気で倒れた。父は目も全く見えないし、耳も片方しか聞こえない。しかし、しゃべることができる。最初はできなかったのだが、リハビリでしゃべれるようになったのだ。そして食べるのもリハビリでできるようになった。。今は電話というものがあるので、「しゃべれ」さえすれば立派なコミュニケーションができる。しかも相手には目が見えないこととか、体が動かないことは伝わらない。なので、嘘をつきまくって電話しても、相手は普通の人として扱ってくれるので楽しくてしょうがないらしく、看護婦さんに頼んで電話をかけまくっているのだ(看護婦さんやヘルパーさんがどうかと思うけど)。


つまり、私がいいたいのは、「本当のコミュニケーション」とは。ということ。この人はELLEの編集長さんだったし、「こうすれば売れる」という本を書かせていたんじゃないかと思うのだ。なので、本当のコミュニケーションとは思えない。単に彼の自己顕示に協力しただけの話なんじゃないかなあ。体の動けない人は当然のことながら「自己顕示欲」が高まる。というか、それしかない人間になる。


うちの父の言語療法士だった人も「しゃべれるようになるのか、難しいかも」と最初はいっていたけど、しゃべれるようになったらすぐに後悔したと思います。「守護天使」どころか、悪魔に加担したような気分になったんじゃないかな。つまり、病人はもっと複雑なんですよ。


なので、同情するなら金をやってください。