レスラー

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

ミッキー・ロークが大好きな私ですが、この映画は期待したほどではなかった。だって、ミッキー・ロークはこんな泣き言言わないよーー。いまさら娘にあいにいくか、そんな人じゃないと、主人公とミッキー・ローク本人と混同してしまったわけで。


でも、この映画は混同してほしいからこんなキャストなんだろうなと思う。ダーレン・アロノフスキーは、今回はなんだかダルデンヌ兄弟の映画みたいな、バックショットばかりつかって、ミッキー・ロークのポニーテールばかり映し出す。あれ、「ファウンテン 永遠につづく愛」のテイストは全くないなーと思ったけど、やっぱり最後のレスリングシーンは「レクイエム・フォー・ドリーム 」っぽかったり、ドキュメンタリーっぽくとってるだろうに、たまーに夢の世界がでるのはご愛嬌かな。


しかし、こういうパターンって映画では多いけど、私はあまり好きではない。だって、ランディはたぶん無意識でもっとたくさんの人を傷つけているはずで、もっと恨まれているはず。娘といえば「小さい頃かまってくれなかった」のを恨むのがパターンだけど、そんなの恨むかっていうの。本当はもっと嫌なことされてるんじゃないのかなあ。そういことが描けてないのが、本当に残念。だって、あんなに短気なんだからさーー。レスラーの生活はすごい大変だと思うけど、人としては実際描けてない。つまりこれは、レスラー興行が大変だということだけがよく描けていたようにさえ思った。


でもマリサ・トメイはすごいな。『その土曜日、7時58分』もすごかったし。