佐伯祐三 + 佐野繁次郎 「パリのエスプリ」
佐伯祐三の絵はともかくとして、佐野繁次郎の作品は毎年2回くらいみてるんじゃないかと思う。佐伯祐三も2年に1度くらいは観ているから、ほとんど見たことのある作品だった。
しかし、この二人の作品を見ると「絵画の中の文字」についていつも考えてしまう。いや、「文字とは何なのか」ということを考えているのかもしれない。巴里という異国の国で落ちている文字たちはいわゆる伝達手段としての文字ではなく、巴里を演出するひとつの視覚的オブジェのように思える。いったん文字をそうして、とらえると文字はびっくりするほどの広がりで見ているものにアピールする。
佐野繁次郎の装丁はすごく素敵なんだけど、あれはやっぱり独特の文字が大きい。そして手書きの文字をあれほどまでに印刷物の作品として表現した人はいないんじゃないかなあ。絵はマティス??って思っちゃうのがあるけれど、コラージュとかはほんとに素敵で家に飾りたい。でも強すぎるかなあ。とにかく葉山まで行ってみて、その環境も含めて楽しめる展覧会です。
2007年04月07日 〜 2007年05月20日
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2007/paris/index.html
神奈川県立近代美術館 葉山にて
開館時間 午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)