アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌


最近、ブレッソンの映画も見ていたので、半分以上の作品を記憶していた。というか、いままで見たブレッソンの有名な作品はほとんど(というか全部)あったし、見たことのない作品もあった。そしてブレッソンはあまり自分が焼いた写真を展示しないと聞いていたけど、ヴィンテージプリントも展示されていた。これまでこんなに充実した展示はあっただろうか。フツーにみても、全部見るのに1時間以上かかる。ああ、すごい。これこそまさに大回顧展!!

ブレッソンの写真はよく言われているように「瞬間」を捉える写真だと思う。でも、それがいわゆる「決定的瞬間」ではなく、本質の「決定的瞬間」だ。物事がおきている瞬間ではなく、おきつつある瞬間、それが画面にあふれ出ている。それと同時に、ブレッソンはジャーナリスト的な資質をもった多くの写真家の写真よりも強さや情熱ではなく、人間の本質的強さやおおらかさを感じるのも独特だなあと思う。それなりに大変なところをとっているけど、その大変さよりも「人間の生活」や「民族のアイデンティティを感じることが多いなと思った。

最後のスペースで映像作品がたくさんあって、どれも見ごたえがありそうだったけど時間もなかったし混んでいたので、見なかった。ほんと、すごい充実。  

油彩やデッサンもあります。
トランス状態のクリスダンサーもすごい!

アンリ・カルティエ=ブレッソン
知られざる全貌
"De qui s'agit-il?" Retrospective de Henri Cartier-Bresson
@東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
2007年6月19日(火)〜8月12日(日)

http://www.momat.go.jp/Honkan/Henri_Cartier-Bresson/index.html