アンリ・ミショー展 ひとのかたち

tomopoly2007-07-24


ミショーは詩人として私の頭にインプットされている。サボテンから抽出される幻覚剤メスカリンの実験的な服用体験によって、表現への探求を重ねたらしい、つまりなんか、ストイックでありチャレンジャーであり、想像以上のものを作る、意識を超えたものを作ろうとしている人なんだろうなあというくらいの認識だったのですが、今回の展覧会に行き、その私の漠然としたイメージ(意識を超えたものを作るという)が「絵」という形で具現化されていて、ああ、もっとミショーのことしりたいなあ。本もいろいろ読みたいなあと思わされました。「絵」だけではなく、少し詩も展示されていてかなりの相乗効果を生んでいたように思います。


特別な意図を持たずに描いてごらん、
機械的に描きなぐってごらん、
紙の上にはほとんどいつも、いくつかの顔が現れる。


私はぐちゃーっと鉛筆を動かしていくと、顔とか何かになっていくという体験がものすごく好きで、いつも絵を描いていると途中で鉛筆を思うままに動かしていく癖があります。たぶん、ブルトンの「自動書記」とかを聴いて最初やってみたんだと思うんですが、。学生時代、「自動書記」を聞いた時ものすごく興奮していたのを覚えているので。。紙の上を筆が動いている運動も表現のひとつだと思うので、(たとえばこっくりさんで鉛筆が動く瞬間の気持ちよさといったら!)ミショーの絵を見ると、その【勢い】をもろに感じました。画家というよりも表現者なんでしょうね。

展覧会に行く前にもっとミショーの本を読んでたら、もっともっと楽しめただろうになあと後悔しています。まだまだ、読んだり学んだり感じたりしないといけないことばっかりだなあと最近痛感します。

2007年6月19日(火)〜8月12日(日)
東京国立近代美術館 ギャラリー4
フランスの画家・詩人、アンリ・ミショーは、記号とも生物ともつかない不思議な形態によるドローイングを1930年代から半世紀にわたって描き続けました。サボテンから抽出される幻覚剤メスカリンの実験的服用によってイメージが発生する地点を探求するなど、きわめて独特な制作活動を展開し、現代の画家の多くに影響を与えた、知る人ぞ知る存在です。

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