森村泰昌−美の教室、静聴せよ

tomopoly2007-08-17


私はまったくこの展覧会がどういうものかを調べずに行ったので、この「教室」形式には正直驚いた。さいきんこういう雰囲気の企画モノが増えているけれど、今回は「教室」というのは表現のための方法であって、展示されているものを味わうための手段であって、最後まで少しずついろいろなことを考えることができて楽しめた。小学生とかもたくさん見に来ていていたし、いろんな人におすすめできる展覧会だと思う。でも本物のフェルメールセザンヌ等の作品を見たことがあるほうが楽しめると思いますが、、。

森村泰昌といえば、その「なりきり」に注目してしまうんだけど、1時間目のフェルメール・ルーム [絵画の国のアリス]にある原寸大のセットをみて、ああ細かいディテールのこだわりもすごいんだなあと思ったりして、ゴッホの自画像の帽子の作り方(帽子を粘土と釘で作った)を聞いて、実物を見ると「絵」にかかれたものについて、いままでと違った方向から考えることもできるんだなあと気づかされました。

ちなみに無料音声ガイドは話題の999円MP3プレーヤーを使って聴く。ウチにもあるので、笑いそうなんだけど、最近もう一台買おうと思っても売り切れ。横美の買占めかなあと思ったりもした。

会場: 横浜美術館
会期: 2007年7月17日(火曜)から9月17日(月曜・祝日)
開館時間: 午前10時から午後6時、金曜は午後8時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
本展では美術館を教室に変え、フェルメールセザンヌゴッホゴヤといった西洋美術史上の名画に扮する「美術史シリーズ」の作品に焦点をあてて、初期から現在にいたる約80点を、まるで学校で授業を行っているかのように紹介します。本展は、ホームルームにはじまり、1時間目から6時間目まで、モリムラ先生による授業(無料音声ガイド)として展開します。さまざまな「美=Bi [bi:] 」について学んだ後は、最後のセクション「放課後:ミシマ・ルーム」で、一転、三島由紀夫と三島の美学を具現化したアポロンの姿になった森村泰昌に出会います。そこで私たちは、次代へ受け継がれるべき日本の美術について、森村からのメッセージを強く心に刻み込まれることでしょう。

横浜美術館