ボトルネック 著者:米澤 穂信

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。


この主題にあるような異世界のことを考えはじめたのは、なんといっても「バックトゥザフューチャー2」を見てから。こういう話は常にあの映画でドクが白板に書いた次元の哲学が私の基準になっている。


この本はそういうSFチックなところを描きながらも、それはミステリとして描かれている。そして甘酸っぱい青春。米澤 穂信の本は面白いんだけど、書かれている青春は共感できる感じがしないんだよね。どうしてだろう。舞城の青春のほうが共感できる私って、おかしい。やっぱり青春には過剰さが必要という岡村靖幸的イメージを引きずっているためかなあ。


ボトルネック

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