リトル・ミス・サンシャイン


いろんなところで好評だとを聞くので、期待してみたが、なんだか日本映画によくあるパターンの家族の物語で、関内アカデミーとか単館でやるのにちょうどいい映画だと思った。アカデミーとかいろいろノミネートされてるみたいなので時代も変わったなあと感じた。

こういうシンプルな映画にしてはキャストが豪華だなあと思う。スティーブ・カレルがあの役っていうのは違和感があるけど、当初予定されていたロビン・ウィリアムスだったらもっと違う感じになっちゃうし、ゆるい感じがなくなっちゃったかと思うので、これでよしとする。あと、なんだか典型的アメリカ人の顔に見えるグレッグ・キニアが、いつもの嫌味な感じとダメさ加減がうまいこと活かされていて好演してたと思う。


長男役は松田龍平くんみたいな演技だなあと思った。負け組映画みたいな感じを言われているけど、結構よくいるタイプの人が集まった映画だともいえる。


長男というのは大体年の離れた妹にやさしいし、母親は娘だけがひとりオーディションレベルに達してなくても気にしない(母は強しというか、それでも出てみたほうがいいというタイプが多い)。父親はものすごく娘がまわりからどう見られているか気にするのに。これは日本もアメリカもかわらないよくあるパターンの家族。唯一映画的なのは暴れん坊の祖父。これは映画の中でよくあるパターン。でも、この映画が評価されたのが「こまかいよくあるパターン」を丁寧に描き分けたことにあるだろう。


あと、子どものミスコンのフリークスっぽい気持ち悪さ、とか、自己啓発セミナーの無意味さとか、そういう皮肉っぽい要素もそれほど目立たなくいい感じでまぶしてあったのもよかったかも。