文学的商品学 斎藤 美奈子
斉藤美奈子さんの本はどれもこれも人気があるので、図書館で予約してもなかなか来ない。この本最近、文庫化されたらしいので、ハードカバーがスムーズに借りれるようになり借りてみた。
- 作者: 斎藤美奈子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/08
- メディア: 文庫
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (42件) を見る
「商品情報」を読むように、、とか書いて歩けど、私たちの世代にとってはこういうストーリーよりモノを読むので、この本の前書きは少しクドいように思う。しかし、内容は面白い。
商品情報を読むように、小説を読んでみよう。文学の面白さはストーリーや 登場人物の魅力だけではない。作品に登場するモノやその描写を見ていくと、思いもかけなかった読み方ができることに気づくだろう。ファッション,風 俗,ホテル,バンド,食べ物,そして「貧乏」。9つのテーマをめぐって,村上春樹から渡辺淳一まで読みくらべる,痛快無比の文芸評論。
第1章 アパレル泣かせの青春小説
第2章 ファッション音痴の風俗小説
第3章 広告代理店式カタログ小説
第4章 飽食の時代のフード小説
第5章 ホラーの館 ホテル小説
第6章 いかす!バンド文学
第7章 とばす!オートバイ文学
第8章 人生劇場としての野球小説
第9章 平成不況下の貧乏小説
たとえば、歌詞なんてストーリーよりも、そこにでてくる「商品」とかに気がいくのは普通な気がする。岡村靖幸なんて「商品」に満ち溢れている。しかもその満ち溢れた商品が、切ないストーリーを形作る。「商品」なくして「ストーリー」なしなのだ。あと、電気グルーヴとかもすごくそんな感じがする。
と、話がズレてしまったけど、面白い本だし、きちんと(笑えるくらい)分析されている。
特に「ファッション音痴の風俗小説」と「いかす!バンド文学」がおかしかった。みうらじゅんとかも取り上げてくれるともっとよかったかなあ。