エミリー・ウングワレー展

駆け込みで間に合った。展示は昨日までだったみたい。どこかで点描の作品は何度か観たような気がするけど、有名な「ビック・ヤム・ドリーミング」は観たことがないし、一度観てみたいとおもっていたので、出かけてみました。

この人の場合、そのバックグラウンド(書かれた作品のほとんどが80歳をすぎてから)に注目が集まって、それを意識して観てしまうことが多いけど、それを忘れても人間の本質的なところを考えさせる、というか、なんだか外で日光を浴びているときのような気落ちになるのです。色彩豊かな点描作品を観ると、一つ一つが細胞というか、地球という大きなところにいる人間の小ささというか、逆に協力して生きているという実感とかいろいろ感じました。私としては白と黒で絵がかえているラインの作品がミニマルで好きなのですが、今回は一番印象的だったのは、亡くなるニ週間前のわずか3日間に24点の作品を手がけたという「ラスト・シリーズ」。感想という感想は思いつかないけど、ひとは最後、ああいう境地にたどり着けるのかな、私も少しでもそこにたどり着きたいなと思った。

エミリー・カーメ・ウングワレーは、アボリジニを代表する画家であると同時に、20世紀が生んだもっとも偉大な抽象画家の一人であるというべきでしょう。オーストラリア中央部の砂漠で生涯を送った彼女の絵画が示す驚くべき近代性は、西洋美術との接点がまったくなかったことを考えるなら、奇跡的にさえ思われます。
彼女は1970年代の後半にバティックの制作を始めますが、何といっても注目されるのは89年から96年に86歳で没するまでの8年間に描かれた3,4千点に及ぶアクリルの作品です。

エミリー・ウングワレー展を振り返って | 【エミリー・芸術ファンサイトです】2008年2月26日から、エミリー ウングワレー展が開催されました。