ハサミを持って突っ走る

オーガスティン・バロウズのベストセラー自伝小説を映画化したものらしいのですが、私はウィリアム・バロウズは知っていても、オーガスティンのことは全く知らないので、どうなるのかまったくわからず見てみた。それでも、いかにも小説の映画化というような作りで、きっと小説で読んだら面白いんだろうなあ、『ホテルニューハンプシャー』とまではいかなくとも面白いんだろうなあ、と思ったけど、映画としては普通。

鍵となる母親役アネット・ベニングがイマイチなんだと思う。この映画は、変な家族、変な人々に描かれた僕、って話なんだけど、そんな変に思えないんだよね。最初のキャスティングでは、ジュリアン・ムーアだったらしいんだけど、その方がよかったかも。アネット・ベニングだと単に病んでてかわいそうに見えてしまう。全体的にいえるのは、ひとりひとりの人間の複雑怪奇な心理が全く描ききれてないように思う。ああ、私の家族が異常だからかな。