春になったら苺を摘みに

西の魔女が死んだ』の梨木香歩さんのエッセイ。エッセイというより、クリスマスの小咄といった感じの暖炉の前で寒い冬に読むのにぴったりの本です。

春になったら莓を摘みに (新潮文庫)

春になったら莓を摘みに (新潮文庫)

私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける―物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。

ウェスト夫人の強さや人柄を中心に、世界の中で生きるということ(世界の中心じゃなくて)をすごく考えさせる内容。いろいろな人種や文化を持つ人々が交流する場での語り合いは頭を使うし、人柄がでるもので、鍛錬の場だなあと思います。でも、どこか暖かい、そんな本です。