遺言 〜 アートシアター新宿文化

「アートシアーター新宿文化と蝎座の支配人、ATGの陰の中心として、60年代の映画/演劇をリードし、全文化領域とその後に決定的な影響を与えた伝説の人物が、そのすべてを後代のために詳細に語りおろした唯一の書。 」

遺言

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いやー、本当に詳細に書かれています。ここらへんの話が好きな人は私も含めて多いと思いますが、これは一番冷静に事実が網羅されている感じの本です。後ろには映画館で公開された映画や演劇の一覧、もちろんATGの制作映画一覧もあります。


著者は映画制作をするときに「客が入るか」ではなく、「今これを映画にとる意義があるか」にこだわっていたようです。いやー、すごい。それを現実にやり続けていたというのは本当にすごい。映画は「客が入るか」だけではない、テレビよりも後世にわたり評価され残るものなのだもんなあと思う。そういう映画を作ってほしい。あと、やっぱり作るだけではなくって、いい映画館も必要だ。最近は名前は伏せるけど、アート系の映画館も「えええ?」っていう映画をやっていたりする、映画がないんだったら旧作で見るべきものをかければいいのになと思うんだけどな。