滝山コミューン一九七四

この本はすごく面白い。「自由」とは何なのか?というのは私の学生時代の命題のひとつで、大学にはいってカーの「自由への逃走」を読んで、「ああ、こういうことを今まで考えたのかなあ」と少し整理できたんだけど、学校という変な世界の歪んだ構造は今も昔も変わらないと思う。


私は小学校高学年から「なんで先生がいっていることは絶対なのか?」といつも考えているような反抗期に入っていた。というか、先生が大人の理屈でえばりくさった説教をすると誰がが「せんせーい、ごめんなさーーい」といってクラスみんなで先生のまわりにいったりしたのをみて反吐がでそうだった。というかひとりだけ笑っていたりして、めちゃくちゃ怒られて、教室の後ろに正座させられたり、廊下でバケツをもってたたされたり(まじで、、)していたもんだった。


先生という制度がおかしい。ひとりだけ大人なんだから、力をだせばみんなを従属できるんだから。そうしないように、こどもひとりひとりの個性を生かしたりできるのが「先生」という職業の醍醐味じゃないのかなあ。そういう先生にはあんまり出会えなかったな。

滝山コミューン一九七四

滝山コミューン一九七四

東京都下の団地の日常の中で、一人の少年が苦悩しつづけた、自由と民主主義のテーマ。受験勉強と「みんな平等」のディレンマの中で、学校の現場で失われていったものとは何か?そして、戦後社会の虚像が生んだ理想と現実、社会そのものの意味とは何か?マンモス団地の小学校を舞台に静かに深く進行した戦後日本の大転換点。たった一人の少年だけが気づいた矛盾と欺瞞の事実が、30年を経て今、明かされる。著者渾身のドキュメンタリー。