父の戦地

週刊ブックレビューで冨士真奈美さんが紹介された本。涙がホロリこぼれる日本版「ライフ・イズ・ビューティフル」。みなさんに読んでほしい本です。

父の戦地

父の戦地

娘に会いたい、声を届けたい。父が戦地から幼い著者に書き送った70枚の絵葉書。痛切な回想記。

父は私がかぞえ年四歳の時に出征し、三日にあげず、時に手描きの絵入りで葉書を送ってきた。戦地ビルマの珍しい風俗や自分の顔を忘れないようにと自画像を交え、小学校に入学する私の姿を想像しては、返信を心待ちにしていた。しかし、終戦を前に帰らぬ人となった……。戦後六十三年を経て、直木賞作家が初めて綴った回想記。