「生きづらさ」について (光文社新書) (新書)

「生きづらさ」について (光文社新書)

「生きづらさ」について (光文社新書)

この本はかなり話題ですよね。いろいろと納得します。というかほとんど同世代だし、考えることも近いと思います。


私が大学で政治を勉強しているときくらいから、左翼と右翼はかなり近くて、円環の付け根みたいなものだというのは言われていました。特に、私はいわゆる左翼の先生のゼミをずっと専攻していたわけですが、そんな中で『極右』とかについて話し合ったりしたものでした。あと、貧困、低学歴層の受け皿に右翼団体がなっていることは、既に映画「狂い咲きサンダーロード』で描かれていて、小林稔侍の熱演も含めて印象に残っています。


雨宮さんが右翼のときにやった『新しい神様』は私が大学を卒業してすぐくらいの映画だったように思いますが、右翼=ロリータパンクというが新しいなと思ったように記憶しています。いままでは右翼=ヤンキーだったのに。。。。と。でもそのくらいからロリータファッションでヴィジュアル系が好きな女子の底知れぬパワーのすごさが、いろんなところで取り上げられてきました。この本でも少し書かれているけれど、こういうファッションで、ヴィジュアル好きな人はいろんな悩みを抱えていて、でもものすごい業をもっている方が多いように思うのです。たしかに自分の高校時代の友達もそうだったように思います。


あと同時に、萱野さんはフランスに留学されたとのことですが、私の友達もパリ留学の子とかがいて、(私も大学のときはパリにかぶれて長く滞在しましたが)、パリにいると「生活」と「政治」が結びついているので、日本のその二つの乖離ぶりに帰ってきて驚かされて、適応できないなあという気分になってしまいます。


つまり「生きづらさ」とは成人する(働く)までの哲学と、働いてからの哲学が違いすぎることによるんじゃないかと思うわけです。つまり、同じにすればいいのでは、と。そういう哲学とか、思想とか、の意識をなくしちゃえばいいのでは。と。それは今読んでる本の伊藤計劃「ハーモニー」につながりますが、とにかくそうだと思うのです。そこで、経済学者の森永さんとかは「幸せの定義」を変えちゃえばとおっしゃってると思うのですが、これはこの本で言う「素人の乱」と同じで、そんな素敵な価値観を作れる人は少ないわけですよね。。


とつらつら、思うことを書いてみましたが、あと5年したらこの世の中はどうなっているのでしょうか??